top of page
  • 執筆者の写真洋子 小峯

第168号 お金の学び普及の難しいところ

「金融教育」を学校で行うべきと思う人 71.8%

金融広報委員会が行った「金融リテラシー調査」(2022年)より


私が日頃取り組んでいる

マネー講座実施の背中を押してくれているようで

励まされます!


ただ 「学校で」というところに

ちょっとひっかかるところがあります。


なぜ? 学校でやれば誰もが受けられていいじゃない。

私もそう思っていました。

ただ、実際ここ10年くらい 取り組んで思うのですが

公教育の学校で授業として取り扱うには

適している分野と

扱いが難しい分野がある気がするのです。


私の考える学校の授業に適している分野というのは


社会保障制度や経済の仕組みなど

日本にいる限り直面する制度などを知ることです。

社会に出た時に不利益を被らないようにする学びです。


反対に扱いが難しいと思うことは


その制度や仕組みを自分事としてどう扱うか、どう活かすかという学びです。


簡潔に表現するなら

前者は「正解がある」お金の学び=OK

後者は「正解がない」お金の学び=公教育での扱いが難しい

とでもいえばいいでしょうか。


ここで、以前あるFP仲間から聞いたエピソードを紹介します。

その方は、ジュニアNISAを利用して

ご家庭で子どもと株式投資に取り組んでいました。

ある日お子さんは学校のある授業で

株式会社の仕組みを学ぶ機会がありました。

発表のタイミングがあろうものなら

「株式投資をやっています!」と

誇らしげに言いたかったのではないでしょうか。


しかし、その授業の中で先生は

「きみたち、カブなんて絶対やるなよ」

こう言ったそうです。

自分の経験から出た言葉かもしれませんが

学校の先生が言うことの子どもにとっての重みを考えると。。。

この話を聞いてため息が出ました。


株式会社という仕組みは誰がどう解説しても

同じになる「正解のある」学びなのですが

そこに重ねて、自分にどう活かすか、自分にとってどう取り組むものなのかなど

「正解の無い」学びや価値観が加わることが

難しいと感じるところなのです。

借り入れやクレジットカード、奨学金なども

その仕組みを知ることは大事なことなのですが

そこに一旦判断が入ると、偏った見方が生まれてしまうので

扱いが難しい分野と言えます。


金融リテラシー調査の中には

「金融トラブル経験者の割合」 という調査も入っています。

金融教育を受ければ、トラブルを避けられるだろう

そう考えるかもしれませんが

調査では、そうとも言えない結果が出ています。


この結果から考察すると

若い頃の(中途半端な?)お金の学びは、

逆に金融商品へのチャレンジ精神を

かきたてて、下手に知っているがゆえに

「自分は大丈夫」とばかりに金融トラブルに合ってしまう

こんな傾向がみられるようなのです。


金融リテラシー調査(2022 年)のポイント

 

知っていることと、それを自分に落とし込んで、自分で判断し

「正しく」行動できるかどうかは  違う。

その「正しく」という点さえ、絶対の「正しい」が無いこともある

それがお金の世界ではないかと思うのです。


だから、公教育に取り入れるのが難しい のでしょう。


私自身も様々な場所でマネー講座をおこなう機会を

いただいていますが

自分の判断を極力混ぜないように注意しています。


お金の学びに限ったことではないかもしれませんが

誰に教わるかで、大きく変わるもの。

そう思うと、毎回身が引き締まる思いです。

ブラッシュアップに努めてまいります!


最後までお読みいただきありがとうございました。


はっぴーまねープランニング

小峯洋子

Kommentare


bottom of page